眼精疲労の予防

前述のとおり、眼精疲労の原因も症状も一様ではありません。
しかし、目を休め、目に負担のかかる環境を改善することが、基本であることに違いはありません。大切なことは、単なる目の疲れと軽く考えないで、できることをその場で実行することです。
では、自分でできる眼精疲労の予防法を考えて見ましょう。


長時間もの近くのモノを見ない

長時間近くにモノを見続けることで目は疲れます。目のレンズに当たる水晶体の厚さを調整している「毛様体筋」が、緊張を強いられるため、凝り固まって血行が悪くなってしまうのです。
VDT作業は、できる限り1時間に10分程度の休憩をとりましょう。例え、仕事が忙しくても、適度の休憩をとった方が、集中力を維持し作業効率を高くします。
目が疲れたから休憩するのではなく、一定時間ごとに休憩時間をとる「習慣」をつけるようにしましょう。


目の体操・マッサージなどで血行を良くする

休憩時間は、目の体操やマッサージ、パーミング、蒸しタオルなどで緊張した目の周りの筋肉をリラックスさせましょう。

目の体操

「1.眼球をゆっくり上下に動かす」→→→「2.眼球をゆっくり左右に動かす」→→→「3.眼球をゆっくり回す」→→→「4.まぶたをギュッと閉じ、パッと開く」を1セットにして繰り返しましょう。

マッサージ

親指ないし人差し指の先をまぶたの上から優しく押し込み、小さく丸を描きながら目の内側から外側へ移動して行きます。目の上側をマッサージしたなら、目の下側も同様に行います。

パーミング

パームとは「手のひら」のことです。手のひらで目を覆うだけのシンプルなリラックス方法です。
やり方は簡単で、まず左右の手のひらを合わせたら、擦って摩擦をさせます。手のひらが、温かくなったら、手のひらの中心をくぼませ、3分程度目を覆いますが、決して、目に手のひらを押し当てないで下さい。まつ毛に軽くふれる程度で良いでしょう。

蒸しタオルで温める

用意したタオルを水で濡らし、軽く絞った後に電子レンジなどで温めて蒸しタオルをつくります。
蒸しタオルができたら、10分ほどタオルを目を覆うように軽く載せて、目の周辺を暖めてあげます。ただし、目が充血していたり炎症がある場合は、目を暖めると逆効果です。この場合は、冷たいタオルを当てるようにして下さい。
オフィスなどで、蒸しタオルを作っている暇がない方は、使い捨てタイプのホットアイマスクも市販されていますので、常備しておくと良いのでしょう。


パソコン環境を改善する

パソコンの環境を改善するだけで、目の負担は軽減することができます。

輝度を下げる

パソコンのディスプレイ画面は、たいてい最も明るい状態で工場から出荷されます。しかし、ExcelやWordと言ったオフィスワークに使われる「白を基調」としたソフトでは、明るすぎで、目の神経を刺激して目を疲れさせます。
ディスプレイの明るさの目安は、白い紙をディスプレー画面に並べて、ほぼ同じ明るさになるように設定すると良いとされています。

ディスプレイ画面を下向きに見るように置く

ディスプレイ画面を視線より下に配置することでも目の負担を軽減できます。画面の中心位置が目線より高い場合、目が上向きになって、まぶたが大きく開くため、目が乾きやすくなって目が疲労しやすくなってしまいます。

フィルターやパソコン用メガネを使用する

近年のVDT作業の増大といった背景から、ディスプレイ画面への映り込みを防止したり、液晶が面から発せられている「ブルーライト」をカットしてくれるフィルターが発売されています。これらのフィルターを使用するだけでも、目の負担は軽減できます。また、同じ趣旨で、大手メガネメーカーからは、「パソコン用メガネ」も発売されています。

正しい姿勢で作業する

正しい姿勢は、「椅子の高さ」の調整から始めます。
椅子の適正な高さは、椅子に深く腰掛けた状態で、足の裏全面が床につくように高さを調節します。もし椅子を最大限に下げても床に足がつかない時は足元に台など置いて調整します。背中が背もたれにつかない時はクッションなどを背中においてフィットさせます。
椅子の高さを調節したら、次に机を合わせます。机とお腹の間に握りこぶし一つ分の隙間を開けて椅子に深く座ります。この時に両腕を軽く机において肘が直角なるように机の高さを合わせるのがポイントです。

また、作業中、ディスプレイ画面などを凝視していると、どうしても「まばたき」の回数が減少してしまうため、作業中は、意識的に「まばたき」の回数を増やすことを心がけるだけでも効果があります。他には。作業時のデスクライトは、チラつきの少ない直流点灯方式を採用したものや、偏光フィルターで覆うことで、映り込みを減らす工夫がなされたものもを使用してみるのも良いのではないでしょうか。

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